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AV強要、いわゆるJKビジネス問題―女性差別の根絶と性教育の抜本的強化を


2017年4月7日 第193国会 内閣委員会

○池内委員 日本共産党の池内さおりです。

昨年の3月11日の本委員会で、私は、女性や子供に対する性暴力被害の深刻な実態を取り上げて、政府の対策というのを求めてまいりました。

加藤大臣、また当時の河野大臣には本当に真剣に受けとめていただいたこと、私は心から感謝を申し上げたいと思います。

この一年、政府内においてさまざまな取り組みが始まっているということを承知しています。内閣府の男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会が先日、「若年層を対象とした性的な暴力の現状と課題」という取りまとめを行っています。政府として、若年層にスポットを当て、実態把握に着手をした。これは、率直に言って、まだまだ十分とは言えないんですけれども、だけれども、極めて重要で、待たれていたことだと思います。JKビジネス、またAV出演強要問題にも焦点が当たり、現状把握と対応の方向性が示されたということも初めてのことだと思います。そして、3月21日に関係府省対策会議というのが設置をされました。

まず、加藤大臣にお伺いいたしますが、この会議で、どのような問題意識からこの対策会議が組織をされ、どのようなことが協議されているのか、お伺いいたします。

○加藤国務大臣 内閣委員会でも、池内委員を初め、この問題に対して積極的に取り上げていただいております。

改めて申し上げるまでもなく、このJKビジネスあるいはアダルトビデオへの出演強要問題、特にこれは10代から20代の若年層の女性を狙った性的な暴力であります。そして、その未熟さにもある意味つけ込んだ許しがたい行為であり、女性に対する暴力、人権侵害、そういう位置づけをさせていただいております。

そして、政府においては、男女共同参画会議の専門調査会において、民間団体、研究者等からそれぞれの取り組みや課題のヒアリングを実施して、3月14日に報告書を取りまとめさせていただきました。

この報告書の内容、そしてこれまでのこの場における指摘も含めて、大変深刻な状況にある、そういう中で、関係省庁が連携して、政府一体として取り組む必要がある、こういう認識のもとで、私を議長とする関係府省対策会議を先般設置いたしました。

これまで2回開催をしておりますけれども、特に新年度となる4月というのは、進学、就職等で若い方々の生活環境が大きく変わる時期でもあります。そうした時期に、こうした被害に遭うリスクが高まることも予想されるということから、新たな被害者を生まない、また、残念ながら被害に遭って困っている方々も相談ができるようにということで、この4月を、被害防止を図る集中月間と位置づけて、関係省庁が相互に連携して、一体となって、例えばスカウト行為に対する指導、警告などの取り締まり等の強化、あるいは被害防止のためのケアサイトの開設、街頭キャンペーンなどの教育、啓発の強化、相談体制の充実など、必要な取り組みを集中的に実施する対策を3月31日に取りまとめて、現在、その対策に沿って実行させていただいているところであります。

そして、今後、この集中月間の実施状況も踏まえまして、五月中旬を目途に、今後の政府の取り組み方針を関係府省対策会議で取りまとめるということにしておりまして、引き続きスピード感を持ってしっかりと進めさせていただきたいと思っております。

○池内委員 内閣府を初め警察庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省そして厚生労働省、本当に幅広い関係省庁で構成をされていて、政府を挙げて取り組む課題であるということが示されているというふうに思うんです。

きょうは警察庁にお聞きいたします。

3月に、アメリカのカリビアンコムという無修正のアダルト動画サイトの管理者が逮捕されました。その経緯と、そのサイトが今どうなっているのか、そして動画が削除されたかどうかというのをお答えください。

○山下政府参考人 御質問の事件につきましては、本年3月、警視庁において、性行為を撮影したわいせつ動画をインターネットの無修正動画サイトで送信することにより頒布をした、わいせつ電磁的記録等送信頒布事件の被疑者として逮捕したものと承知をいたしております。

現在、この事件は捜査中でございまして、詳細な内容につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っております。

この動画サイトでございますが、いまだに運営を続けており、また、逮捕事実に係る動画についても閲覧できる状態にあるものと承知をしております。(池内委員「それだけじゃないですね。動画を削除したものもあると思います」と呼ぶ)

○秋元委員長 では、ちょっとひとつ、質問をもう一度。

○池内委員 別に争いがあるところじゃないので、もう読みますけれども。

とにかく、日本国籍があって、日本に住んでいるというか、その身柄が日本にあったということで、この事案というのは逮捕に至っていて、女性が実際に声を上げて告発をしたという動画については、もちろんそのほかにも告発はしているんだけれども、消えていないものもあれば、もちろん消えているものもあるということなわけですね。

新聞報道で、このわいせつ動画サイトをめぐって、海外の運営側の人物を摘発するのは異例だというふうには書かれてはあるんですけれども、私は、そんなことで満足していてはいけないと。同様のケースというのは、日本のこの社会の中にも、あふれ返っているとまでは言いませんけれども、一定数存在しています。民間団体は、そうした事実をつかんでいます。被害女性も、その本人が告発をしています。

国内の事案、やはりこれにこそ、だって、日本国籍も持って、日本に今住んでいるんですから、そのサイトの管理者の捜査の強化と摘発に私は本腰を入れるべきだと思うんですが、ここは大臣、どうでしょうか。

○松本国務大臣 このような実態は極めて憂慮すべきものと認識をしておりますが、当然のことながら、警察におきましては厳正に対処しているところではありますが、引き続き、違法行為があれば、積極的に取り締まりを推進するよう指導してまいりたいと思います。

○池内委員 海外のものはやったけれども、日本国内は放置ではやはりいけないと思うので、しっかりとやっていただきたい。

さらに、動画の消去の問題なんですけれども、私が常にこだわっているのは、やはり本人が望まない映像、これは強要に基づくものまでもがネット上で今も販売をされている、視聴され続けている。これは、レイプをされたという事実だけでも、被害者は男性のことが怖くなって、日常生活を営めなくなった人もいる。マスクをしないと外出できない。電車の中などで目が合っただけで、あの人はなぜ今私を見たのか、もしかして、私のあの動画を見たんじゃないかと発作を起こすまでになって、日常生活そのものが破綻をしている人もいらっしゃる。

今、支援の現場では、弁護士さんに書面をつくってもらって、直接、サイトの管理者にかけ合って、何カ月も後に、場合によっては消せる場合もあるけれども、管理者が応じないで、その動画を消せないということもあるそうなんですね。

この動画を消すということは、今まで誰もやったことがない、まさに。認識もされていなかったわけで、前人未到の領域とはわかっているんですけれども、でも、できないと簡単に白旗を上げてしまうんじゃなくて、民間には、消去をさせたという実績もあります。

この民間の動きに警察もさらに連帯を、連携を強めるべきではないでしょうか。これも大臣、ぜひお答えください。

○山下政府参考人 お尋ねの動画の削除の問題でございます。

警察では、インターネットに掲載をされました、個人の権利を侵害するような情報につきましては、当該情報の掲載が犯罪に当たるような場合は、サイト管理者等に対して当該情報の削除を要請いたします。

また、犯罪に当たらないような場合は、サイト管理者等の約款により削除の対象となり得るものについて、対応を依頼することができるということでございます。

○池内委員 今言ったことを絶対やってください。ちゃんとやってください。

そして、動画を消したくても、声を上げたということで動画が特定をされて、かえってその動画が拡散されてしまう、こういう恐怖感も被害者は感じています。

削除要求をした被害女性の動画を意図的に拡散する、このようなユーザーには厳罰をもって対処すべきだということは、きょう私は指摘をしておきたいし、また、一度拡散してしまった動画を消すということというのは、それが技術的に難しいということは私も理解をしているつもりなんですけれども、でも、それはやはり承服できない現実です。

少なくとも、こうした動画を追いかけ続けて、消し続ける姿勢を警察には見せていただきたいし、また、悪意による拡散、そうした人物にやはり厳しい態度でもって、追い続けていただきたいということは重ねて要求したいと思います。

被害者をなくしていく、この強要の被害、その本腰を入れた対策を進めていくためには、今の法的枠組みではやはりできないことがたくさんある、新たな規制が必要だということは私は強く感じています。

きょうは、次に、いわゆるJKビジネスについて質問いたします。

警視庁が昨年5月に懇談会の報告書を取りまとめています。それを踏まえて、現在、JKビジネス規制のための条例策定の動きというのが始まっていると。

ことし2月に、店舗で稼働していた女子児童42人の実態が公表されています。大臣にお伺いしますけれども、この結果をどのように評価をされていますか。

○松本国務大臣 お尋ねのアンケートについては、警視庁が摘発したいわゆるJKビジネスの店舗に在籍していた18歳未満の女子児童42人に対して、警視庁が調査したものと承知をしております。

この調査では、いわゆるJKビジネスの店舗で稼働することになったきっかけとして、54.8%の児童が高額収入と回答し、また、稼いだお金の使用目的として、59.5%の児童が遊興費に充当すると回答するなどしており、児童が金銭目当てにいわゆるJKビジネスにかかわっている実態がうかがわれるものと認識をしております。

他方、いわゆるJKビジネスの店舗で働いた感想として、35.7%の児童が嫌だったと回答したり、その存在について、57.1%の児童がない方がよいと回答したりするなど、いわゆるJKビジネスでの稼働が児童の心身に有害な影響を与えているものであることは明らかと認識をしております。

このアンケート調査は一部の児童から聴取した結果ではありますが、いわゆるJKビジネスをめぐる実態を示すものであることから、引き続き、違法行為は積極的に取り締まるとともに、学校等関係機関と連携した被害防止の啓発等に調査結果を生かすよう、警察を指導してまいりたいと思います。

○池内委員 今、さまざま御答弁をいただいて、私がこだわるのは、やはり、金銭目当てといったときに、その背景が余り語られることなく、この言葉だけがひとり歩きしている。そのことが与える印象というのは、ちょっとよろしくないといいますか、現実を正しく反映していないんじゃないかというふうに思うんですね。

警察の調査を報じたマスコミの報道がどうなっているかというと、JKビジネス、安易な動機、金銭目的性行為、抵抗感薄くなどというふうに報じているわけなんです。別の新聞では、警視庁担当課の、軽い気持ちで働く例が多いというコメントを紹介している。また、大阪で昨年、女子中高生が69人補導された事案を報じたあるマスコミは、大阪府警幹部のコメントを紹介しています。安い給料で女性を雇いたい店側と、合法的に働けない中高生らとの利害が一致している。

マスコミの報道や警察関係者のコメントというのは、JKビジネスにかかわる女子高生たちが、彼女たちが安易だというふうにして、金欲しさに進んでかかわっていると言わんばかりの報道姿勢だというふうに私は思うんですね。

高校生というのはまだまだ子供で、安易と言うのであれば、それは確かに、子供としての経験の制限とか、家庭や学校に居場所がないことで、受けるべき教育から漏れてしまっている、そうしたことからくる安易さというのはあるかもしれませんが、しかし、それはその子たちの責任ではないと思うんです。

問題は、子供の性を簡単に買う側の安易さだと言いたい。警察の認識も、新聞の見出しに躍る文字も、買う側の安易さをこそ批判するものになるべきだというふうに思うんです。

その点、警視庁が行った懇談会、先ほど紹介しましたが、「いわゆるJKビジネスにおける犯罪防止対策の在り方に関する報告書」、これを読むと、本当に、非常に真面目な議論がされています。

この報告書は、法的規制と並び、必要な施策として、青少年を取り巻く社会環境の整備ということを述べている。その(一)で、読み上げますけれども、社会全体の機運の醸成、JKビジネスにおいては、青少年による接客行為を、いわば商品として捉える業者のみならず、当該営業においてサービスを受ける客、特に、あわよくば青少年からの性的サービスを期待する客が存在している。こうした客の存在により、裏オプションと称する性的サービス等の児童買春事案につながるなど、JKビジネスにかかわる青少年自身の健全育成に大きな影響を及ぼすばかりでなく、客がいるのだからJKで働いたって仕方がない、働いている子も喜んでいるんだから問題ないと、青少年においてJKビジネスを正当化させる要因ともなっていると指摘されている。

さらに続けて、青少年は、その存在を商品として利用するためのものではなく、健全な成長を見守っていくべきものであることを社会全体に対して周知し、青少年の健全育成にとって有害な営業、それを利用する客を生み出さないための環境づくりに取り組むことが重要だと指摘をしている。

警視庁の報告書ですよ。本当にこれは、真っ当な指摘だと私は思います。

警察が3月31日付で緊急対策を発表された、全国に通達を出したという報道を見ましたが、このJKビジネスについて、今後、店舗への立入調査もやるというふうに報道されています。その取りまとめが5月中とある。

その結果の見方や、また新聞報道へのプレスリリースが、何か、子供の側に責任があるかのような、そのような印象を流布するような手段とならないように、その点は、私は強く要望をしておきたいというふうに思います。

重ねて言いますけれども、少女たちの被害というのは、加害者の存在なしには発生しません。子供を商品と捉える業者、そして、青少年からの性的サービスを期待している客、こうした人物たちの気安さと気軽さこそ、私は問題にする社会でなければならないと思う。

その点で、今の日本社会はどうでしょう。子供の性を消費することを擁護する詭弁があふれています。私にはそのように見える。援助交際とかJKビジネスとか、何かいいことのように、人助けのような顔をして立ちあらわれているというのは一体どういうことかと言いたい。

その結果、子供への性暴力の実態というのが長らく見えなくさせられてきた。男女格差を数値化している世界経済フォーラムの調べでは、日本は、ジェンダーギャップ指数、堂々の世界111位です。こうした社会にあって、構成員一人一人に多かれ少なかれ女性差別意識というのがもう既に内面化をされている。その事実を自覚しているといないとにかかわらず、結果、世に流布される言説というのは、買う側を擁護する立場での物言いの声の方が多くなっている。私は、これは大いなる不幸だというふうに思います。

政府の取り組みは序章にすぎないと思います。局長会議を形だけの看板にぜひとも終わらせていただきたくないし、子供を買う側、この論点を政府の取り組みの中にきちんと設けることが重要だと思います。裏オプションの存在、知っている、知らない、そういうことじゃなくて、子供の認識を問うのではなくて、知っていようが知っていまいが、子供を買うということは、それはもう異常なことだ、許されない、そういう立場に立つことが大事だと思う。

私は、警視庁の報告書には、本当に真面目な検討がされていて、例えば、男性客が、JKリフレ店、個室の店内において、同店で稼働する女子従業員、これは16歳の高校生ですよ、に援助交際を持ちかけた。自分が持ちかけた、しかも援助交際という言い方も腹が立ちますけれども、持ちかけた。そして、後日、ホテルにおいて現金5万円を供与して性交等をしたと。もう、これを読み上げるのが全部嫌になりますので、ここでとめますけれども、持ちかけているのは客の方。少女たちの被害というのは、まさに加害の側があるから今苦しんでいるわけで、加藤大臣にお伺いしますが、この買う側の問題こそ、政府の取り組みの中で力を入れて位置づけて、克服すべき課題ではないでしょうか。

○加藤国務大臣 今の池内委員のお話も聞かせていただいて、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、女性に対する暴力という位置づけ、そして、これはもう重大な人権侵害なんだという、そうした認識のもとで、そして、我々の立場でいえば、男女共同参画社会を、しっかりとした社会を形成していく。そういう方向にとって、国のみならず、また地方公共団体、あるいはさまざまこうした取り組みをされている民間団体、こういったところとも連携をしながら、そうした社会の実現に向けて進んでいきたいと思っておりますし、そういった意味で、まず、この4月の被害を起こさない、あるいは、仮に被害を受けた方々が相談できる、すぐ取り組める施策を緊急的に集中的に今やらせていただいておりますけれども、それを踏まえた5月の取りまとめ、また、多分そこに全てが盛り込まれるかどうかわかりませんけれども、今委員の御指摘も含めて、しっかりと検討させていただきたいと思います。

○池内委員 本当に、買う側というのはずっと不問に付されてきていて、この問題に本腰を入れないと、幾ら傷口を手当てしても、新たな傷は生まれ続けるということは重ねて言っておきたいと思います。

そして、重ねてですけれども、男女共同参画をつかさどる加藤大臣にお伺いしたいんですが、問題は、個々の人々の倫理観に任せておくことではなくて、暴力の発動を許さない社会に日本社会を変えていくことだというふうに思います。

JKビジネス、AV出演強要、こういう個別の問題は、深刻な男女差別社会が持つゆがみの現象形態でしかないと私は思うんです。もともと差別的な社会があって、ここに取り組まなければ、新たな形態での暴力というのは、幾らでもこれから先も生み出されていくだろう。本丸は、やはり、日本社会に根強い女性差別、これをなくしていくことだ、あらゆる性的指向、性自認による差別をなくすことだというふうに思うんです。

その点で、政府の取り組みにもこの観点が太く大きく貫かれるということが重要だと思いますが、その立場で取り組みを進めていただけますでしょうか。

○加藤国務大臣 累次、先ほどと重なるところもありますけれども、まずトータルとして、女性に対する暴力は、基本的な重大な人権侵害であるというこの認識、そして、そうした状況の根絶を図るということは、まさに男女共同参画社会を形成していく上において大変重要だ、またそれを進めていくのは国の責務である、こういうことであります。

第四次男女共同参画基本計画においても、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けて、その予防と被害からの回復を図るため、暴力を容認しない社会環境の整備等の基盤づくりを強化するとともに、配偶者等からの暴力、性犯罪、ストーカー行為等の形態に応じた幅広い取り組みを総合的に推進するということをしているところであります。

また、今我々が進めております女性が活躍する社会、この実現に当たって、その大前提として、女性の皆さんが安心して暮らしていける、生活していける、そういう環境を整備していくということはまさに大前提であるということで、政府としてもしっかり対応していきたいと思います。

○池内委員 ぜひ、この問題だけが終わって終わりじゃなくて、本当の意味での女性の活躍ということで進めていただきたい。

暴力と無縁の社会をつくるといった点での人づくりというのは本当に大事だと思います。この点で、教育の果たす役割というのが重要だ。

局長会議には文科省も入っていますね。その点、文科省は、あの会議を受け、性教育についてどのような検討をされていますか。

○樋口大臣政務官 お答えいたします。

池内委員がおっしゃるとおり、性に関する指導は極めて重要であるというふうに思っております。

学習指導要領に基づいて指導をしているところでございますが、その学習指導要領の解説の中には詳細な記載があります。そして、各教科書に記載をされておりまして、例えば中学校の教科書では、性情報に惑わされて誤った行動をして、犯罪に巻き込まれたり心身ともに傷ついてしまうこともありますなどと記載をしているところでございます。

そのような詳細な中身につきまして、まずは性に関する指導が適切に行われるように、都道府県、政令市の教育委員会の指導主事を対象とした会議において周知徹底を図ってまいります。

○池内委員 率直に言って、その程度で本当に全ての子供が性暴力の被害に遭わないと胸を張って言えるのかということは、私は言いたいと思うんですよね。何だか十年前から時間がとまっているかのような、性教育については。

文科省の皆さん、私もお聞きしました、緊急対策ということで全国にこのような通知を出されていると。こんなぺら紙一枚で本当にこの国の子供を守れるのかということは、私は重ねて問いたいと思います。

スマホが今もう普及をしていて、幾らでも、アダルト動画にいつでもどこでもアクセスができる状況になっている。私はきょうは触れるつもりはないですけれども、AVの中には暴力が娯楽になっているようなものもあるし、出演強要による実際のレイプ動画、これは犯罪ですよね、そうした動画さえも今氾濫をしている。どれほど善意の個人であっても、こうした情報にさらされ続ければ、男性が女性を支配するものだ、女性は、女はレイプをされても喜ぶものだというこの誤った認識を受け取りかねないし、内面化しかねない危険があります。

この日本社会に負けない性教育を私は求めているんです。抜本的に教育の現場での性教育のあり方を変えないと、子供たちは傷つけられるし、加害者と被害者を生み出し続けるという状況にストップをかけられないというふうに思います。

もう一度聞きます。文科省こそ先頭に立って性教育を実施すべきじゃないですか、こうした社会にあって。

○樋口大臣政務官 委員御指摘のとおり、性に関する指導は極めて重要だというふうに思っております。このあり方も含めて局長会議が開かれたわけで、この重要な問題に当たり、文科省としても引き続き検討してまいりたいと思います。

○池内委員 ぜひお願いしたいというのと、もう既に被害を受けている子供がきっといる。その沈黙を強いられているかもしれない子供たちに、私は、内閣府に任せないで、その任せにしないで、文科省こそ性の被害の実態について子供たちの実態調査をやっていただきたいんですが、いかがですか。

○樋口大臣政務官 児童生徒の被害の実態に関する全国調査についての問い合わせでありますが、個人のプライバシーの問題もございまして、困難なものだというふうに考えております。

他方で、JKビジネス等に巻き込まれた児童生徒については、さまざまな困難を抱えている場合が多いと考えられることから、学校現場においてこれらの問題を把握し、適切に対処することは重要であると考えております。

このため、学校においては、例えば、日常の生徒指導や健康観察等を通じて生徒が抱える問題を把握し、関係機関との連携のもと、適切に支援に努めてきたところでございます。

文部科学省といたしまして、今後も、教職員が日ごろの児童生徒の変化等に目を向け、可能な限り被害の実態の把握に努め、個々の状況に応じて関係機関などにつなぐなど、学校において適切な対応がとられるように取り組んでまいります。

○池内委員 困難を乗り越えることこそ、やはり大人の責任だし、そういう、本当に子供が困っているときにちゃんと誠実に向き合ってくれる大人を見て初めて愛国心というのは育つんじゃないでしょうか。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、また養護教員の皆さんというのは、既に、困難を抱えている子供たちに向き合って、日々指導されていると思う。こういう方々にこそ、やはり相談窓口が周知されたり、また民間団体のパンフレットが周知されるということが大事だと思うんですね。それを聞きたいのと、警察にも同じことを聞きます。

警察も、予防教育ということで、現場に赴き、努力を強められるというふうに聞いています。その際、だめだだめだと言い続けたって、現状、困っている実態が変わらなければ、そういう業界にからめ捕られていく子供たちというのは消えないと思うんですよ。しかも、だめだだめだと行政が言えば言うほど、あれほど言ったのに近づいたあなたが悪いと、さらに子供が追い詰められかねない状況も生み出してしまう。

だから、警察の皆さんの取り組みの中でも、犯罪やそういったところに来てしまう前の、きょう食べるものがない、寝る場所がないという子供たちが駆け込める場所、いろいろあるんだよという情報提供も含めてやっていただきたいんですが、重ねて。

時間がないので、最後に大臣に。

民間団体は、今本当に頑張っています。ものすごく忙しくなっています、政府が本腰を入れれば入れるほど。残念なことに、被害があるから。だからこそ、民間への公的支援を抜本的に強めるべきじゃないでしょうか。

この三つをお聞かせください。

○樋口大臣政務官 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、養護教諭等に民間の団体を周知することは極めて重要なことだというふうに考えております。

文部科学省といたしまして、今後、学校の相談窓口における性的な被害に関する相談対応の充実を図るほか、関係省庁と連携のもと、支援等を行う関係機関や民間団体の相談窓口の周知を含めて、こうした問題への相談、支援体制の具体的なあり方について検討してまいります。

○山下政府参考人 委員の御指摘の、私どもといたしましても、今回の緊急対策につきましては、まず、このJKビジネスということの実態、それからその危険性、その被害の実態等につきまして、学校当局とも連携をいたしながら、まさにこの新学期の時期、被害防止教室等でしっかりと啓発をしてまいりたいと思いますが、御指摘のとおり、そういったものを事前に防止するということが必要かと思っております。

特に、今回、大都市部の繁華街におきまして、子供たちに対して、そういったビジネス等に巻き込まれないように、未然防止を図るための街頭補導、こういったものも強化をいたしておりまして、子供たちがそういったところにできるだけ入り込まないような、そういった取り組みというものもあわせてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○加藤国務大臣 こうした問題に対して、民間の支援団体において、被害者からの相談を受けるなど、積極的な対応をいただいているというふうに承知をしております。

特に、性的な暴力を受けられた場合に、一種の、一つの心理的な状況の中から、今ある公的な相談機関になかなか相談できないという方もおられる。また、そういった意味で、被害に遭っている方が安心して相談することができるような工夫をいろいろ考えていくという意味においても、民間団体との連携というのは非常に大事だと思っております。

内閣府では、先般成立していただいた予算を活用いたしまして、被害者への効果的な相談支援のあり方について、民間支援団体等の協力も得て、実態把握に加えて調査研究を行うこととしておりまして、被害者に寄り添った効果的な方法を、そうした民間団体とも連携しながらつくり上げていきたいと考えております。

○池内委員 終わります。ありがとうございました。