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衆院予算委員会にてLGBT問題で国会初質問


2015年3月5日 第189国会 予算委員会

○池内委員 日本共産党の池内さおりです。

私は愛媛県松山の出身です。松山は道後温泉などでも知られる大変いいところです。しかし、私は子供のころから納得のいかない経験もして育ちました。男尊女卑といいますか、女は男に従うものだという言葉が身近に語られるのを聞いて育ちました。

男らしさ、女らしさという規範が個人の上に置かれるとき、それは多様な生き方を抑圧するのだと感じるようになりました。私は、こうした決めつけに個性が押し潰されることなく、誰もが自由に生きられる社会であるべきだと強く感じるようになりました。

そうした思いを強める中で、私は、LGBT、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダーをあらわし、いわゆる性的マイノリティーという意味ですが、こうした人たちの存在を知りました。

私が、男は男らしく、女は女らしくという決めつけによって個性の発揮が妨げられていると感じたように、LGBTの人たちは、異性を愛するのは当たり前、体の性に沿った性自認、ジェンダーアイデンティティーを持つのが当たり前という決めつけによって個性の発揮が妨げられているのではないか、ありのままに生きることが妨げられているのではないか。こうした女性やLGBTのおもしとなっている、それは男性にとってもおもしだと思いますが、この現状を一歩でも変えていきたいと、選挙ではこの思いを強く訴えてまいりました。この中で、LGBTの当事者の悩み、思い、期待の声を聞いてきました。

きょうは、私の初めての質問です。性的マイノリティーの人権について質問させていただきたいと思います。

まず、国際的な動向、国連の動きについて外務大臣にお尋ねします。

二〇〇八年に初めて、国連全加盟国で構成される総会において、LGBTと総称される、いわゆる性的マイノリティーの人々に対する人権に関する声明が提出されました。さらに二〇一一年には、やはり初めて、国連人権理事会においても性的マイノリティーの人々に関する決議が採択されました。さらに続いて、二〇一四年にも決議が採択されています。どのような内容の声明、決議だったのでしょうか、教えてください。

○岸田国務大臣 LGBTの方々の人権に関する国連の動きですが、まず、二〇〇八年の第六十三回国連総会におきまして、我が国を含む六十六カ国は、性的指向等を理由とした人権侵害を非難する内容のステートメントを発出いたしました。

そして、二〇一一年の第十七回国連人権理事会においては、国連人権高等弁務官に対し、性的指向等に基づく差別的法令等について調査の上、報告書として提出することを求める内容の決議が我が国を含む賛成多数で採択されております。

そして、二〇一四年、第二十七回人権理事会においては、二〇一一年の決議で述べられた報告書を今後もアップデートするよう求める内容の決議が我が国を含む賛成多数で採決された。

こうした動きを承知しております。

○池内委員 今大臣がおっしゃった二〇〇八年の声明には、性的指向や性自認にかかわらず、人権が全ての人に平等に適用されるとされています。性的指向と性的自認という用語の英文の原文は、セクシュアルオリエンテーション、ジェンダーアイデンティティーという用語です。

二〇一一年の決議は、性的指向、性的自認を理由とする暴力行為、差別、こうした人権侵害の状況を調査して、また要請しています。この決議に基づく調査、国連人権理事会でのパネル討議という動きの中で、国連人権高等弁務官事務所が、ボーン・フリー・アンド・イコールという冊子、私も持ってきましたが、この冊子を公表しています。

性的指向、性的自認を理由とする暴力行為や差別に対しての取り組みといいますが、具体的にどのような人たちに対する取り組みだと国連人権高等弁務官事務所のこのレポートは言っていますか、教えてください。

〔委員長退席、萩生田委員長代理着席〕

○岸田国務大臣 御指摘の報告書ですが、二〇一一年の国連人権理事会決議を受けて、性的指向等に基づく差別的法令等について調査したものであり、いわゆるLGBT、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そしてトランスジェンダーの人々がその対象として含まれていると承知しています。

○池内委員 いわゆるLGBTという性的指向、性自認を持つ性的マイノリティーの人たちの人権保護の取り組みだということです。

ナビ・ピレイ国連高等弁務官は、この冊子の中でこう言っています。他の全ての人々が享受する権利と同じ権利をレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、LGBTの人々に広げる今回の事例は、ラジカルなものでもなければ複雑なものでもありません、それは国際人権法が支持する二つの基本的原理、平等、非差別に基づいています、世界人権宣言の第一条は明白です、全ての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である。

私は、今回の質問を準備する勉強の中で、国連決議に至るまでの長期にわたる各国関係者の努力を知りました。これまで幾度となく性的マイノリティーの人権について前進させようとする試みが国際社会では取り組まれました。しかし、その都度、宗教や文化を背景とした対立によって決議にまでは至らなかった。そうした中で、やっと人権擁護の流れが国連決議という形に結実しました。

長年にわたる自由獲得の努力に私は強い感銘を受けましたが、今回の国連の声明、決議について大臣はどのような認識をお持ちですか。

○岸田国務大臣 まず、全ての人々はいかなる事由による差別も受けることなく人権を享有することができるのであり、性的指向等に基づいた人権侵害、これは非難すべきものであると考えます。

我が国としましても、引き続き、人権分野におけるさまざまな国際的な課題が存在します、こうした課題に積極的に取り組んでいかなければならないと考えます。

○池内委員 ぜひとも、こうした決議がなされたことを多方面にお知らせいただき、関係者と一体となってさらにこの取り組みを進めていただきたいと思います。

次に、国内の取り組みを法務大臣にお伺いいたします。

国際社会は、性的指向や性自認にかかわらず人権が全ての人に平等に適用されるとして、LGBTと総称されるいわゆる性的マイノリティーの人権擁護の取り組みを進めようとしています。

私は、きょう、ここに法務省の「人権の擁護」という冊子を持ってきました。この中には、性的指向、国連決議との関係ではセクシュアルオリエンテーションということに対応すると思いますが、この性的指向と、性同一性障害、これはジェンダーアイデンティティーに対応するものと思います。

日本政府は性的マイノリティーの人権についてどのように認識し、取り組んでおられますか。

○上川国務大臣 御質問をいただきました性的マイノリティーに関する人権問題についての国内での取り組みということでございまして、今こちらの方の冊子も御紹介いただきました。

性的指向に関しましては、男性が男性を、また女性が女性を好きになるということで、これにつきましては根強い偏見あるいは差別があるということでございます。また、性同一性障害に関しましては、体の性とそして心の性との間の食い違いに悩みながら、周囲の心ない好奇の目にさらされるというようなことで苦しんでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃるというふうに承知をしているところでございます。

そこで、性的指向あるいは性同一性障害を理由とする偏見あるいは差別をなくし、国民の皆様の御理解を深めていく必要があるというふうに認識しているところでございます。

法務省の人権擁護機関におきましては、この啓発活動の強調事項といたしまして、平成十四年度から性的指向を理由とする差別をなくそう、また、平成十六年度からは性同一性障害を理由とする差別をなくそうということで、この強調事項に掲げまして、各種の啓発活動に取り組んでいるところでございます。

また、全国の法務局また地方法務局におきましては、面接あるいは電話によりまして人権相談に応じているところでございますが、こうした人権相談の中で、性的指向や性同一性障害の問題を抱えていらっしゃる皆さんの中で人権侵害の疑いがある事案ということが認知されました暁には、人権侵犯事件ということで調査をしっかりと行って、その結果を踏まえて事案に応じた適切な措置を講じる、こうした取り組みをしているところでございます。

○池内委員 今大臣もおっしゃっていただきました。この冊子の中では、性的指向は、男性が男性を、女性が女性を好きになることに対しては根強い偏見や差別があり、苦しんでいる人々がいる、性同一性障害では、心と体の性の食い違いに悩みながら、周囲の心ない好奇の目にさらされたりして苦しんでいる人々がいる、そして、こうした双方の問題に対して理解を広げていくことが大事だということが述べられました。私はこのとおりだと思うんです。

この質問に先立って、LGBT当事者の皆さんと懇談をしました。あるゲイの方が、飲み会や職場で、彼女いるの、結婚しないのと聞かれることにとても傷ついていると話してくれました。彼女いるのという問いかけ自体が男女の異性愛を前提とした問答であって、現実に存在する多様な性的指向を全く想定していない無理解をあらわしています。

存在なき者として扱われている日常の中で、当事者は息を潜め、自分を押し殺し、沈黙を強いられています。自分のセクシュアリティーを表明した場合、ホモ、おかまなどの侮蔑表現にさらされるかもしれない。まさに偏見や差別をなくし、正しい理解を深めることが必要だと私は思いました。そのためには、性的マイノリティーについての正確な知識がどうしても必要だと思うんです。

この点で私が大変学ばされたのは、この研究です。「学校教育におけるセクシュアリティ理解と援助スキル開発に関する研究」、先日、西村議員も当委員会で取り上げていた調査と同じものだと思いますが、私はきょう持ってきました。

厚生労働省にお聞きいたします。

この研究では、性的マイノリティーの児童生徒に対する対応をする際に先生方が最低限備えておくべき基礎的な知識を問う設問がされています。その一つは、同性愛は精神的な病気の一つだと思うというものです。この設問に対する先生方の回答はどのような結果が出ていますか。

○新村政府参考人 お答えいたします。

御指摘の研究班の報告書によりますと、平成二十三年度から二十四年度に教員を対象としてセクシュアルマイノリティーに対する意識や経験の実態調査を行い、五千九百七十九人から回答を得たとのことでございます。

その中で、同性愛は精神的な病気の一つだと思うかという質問項目に対しまして、そう思うと回答した者が五・七%、わからないと回答した者が二五・〇%、そう思わないと回答した者は六六・二%となっております。

○池内委員 全体の五・七%は同性愛は精神的な病気の一つだと思うと捉え、二五%はわからないという結果だったということです。率直に言って、同性愛は精神的な病気の一つだと思うという認識は性的マイノリティーへの偏見を助長するものだと私は思います。

同じ研究グループが行った別の研究の中で、医学における同性愛の位置づけについて言及しているところを紹介したいと思います。厚生労働省にお願いいたします。

○新村政府参考人 平成十九年度エイズ対策研究推進事業の成果報告書、「ゲイ・バイセクシュアル男性の健康レポート2」という中に記載されておりますが、かつて医学界では同性愛は精神疾患であるとされておりましたが、米国では一九八七年には精神疾患とされなくなったということ、また、世界保健機関、WHOでは一九九二年に疾病分類の見直しを行い、同性愛は治療の対象とはならないとの趣旨の記載がなされております。

○池内委員 塩崎大臣に確認したいと思います。

今紹介されたように、九二年にWHOは国際疾病分類改訂版、ICD10の中で、同性愛はいかなる意味においても治療の対象とはならないと宣言し、厚生省はそのICD10を九四年に公式基準として採用しているという理解でよろしいでしょうか。

○塩崎国務大臣 WHOのつくっております国際的な診断ガイドライン、いわゆる国際疾病分類、ICD10におきまして、同性愛は精神疾患ではないとされておりまして、厚生労働省としてもそのように認識をしております。

○池内委員 九〇年代までは我が国の書物の多くに同性愛は異常、性的倒錯であると記述がなされてきたことを研究グループが指摘しています。しかし、それがそうではないと国際社会と日本が公式に認識したのは、わずか二十年前のことです。同性愛者のことを病気の一種であると思っている、あるいは病気ではないとしっかりと否定できない現実の中で、今でも特殊な少数派という見解、偏見は根強いと私は思います。

大多数の同性愛者は、異性愛者と同じ生活圏に暮らしながら、身を守るために、見えない存在となって生きている。カミングアウトしようものなら、異常、変態、性的倒錯等の言葉にさらされるかもしれない。やはり、無理解と偏見を乗り越えていく必要があると私は思います。

先ほどの研究に戻ります。

基礎的な知識を問う設問として、さらに、性同一性障害と同性愛は同じようなものだと思うという設問、さらに、性的指向を選べるのか、つまり、同性愛になるか異性愛になるか本人の希望によって選択できるという設問があります。これに対してはどのような結果が出ていますか。

○新村政府参考人 御指摘の研究班報告書によりますと、性同一性障害と同性愛は同じようなものだと思うかという質問項目に対しましては、そう思うと回答した者は五・〇%、わからないと回答した者は二九・四%、そう思わないと回答した者は六四・一%となっております。

また、同性愛者になるか異性愛者になるか本人の希望によって選択できると思うかという質問項目に対しましては、そう思うと回答した者は三八・六%、わからないと回答した者は三二・八%、そう思わないと回答した者は二五・四%となっております。

○池内委員 性同一性障害と同性愛は同じようなものだと思うという設問に対して、そう思うが五・〇%、わからない二九・四%という結果です。

先ほどの法務省の冊子でも人権擁護の課題として二つに分けて捉えているように、性的指向そして性同一性障害というのは区別され、それぞれに固有の課題があります。この認識もまだまだ浸透しているとは言えない状況だと思います。

続いて、性的指向を選べるのか、つまり、同性愛になるか異性愛になるか本人の希望によって選択できると思う、この設問に対しても、全体の三八・六%がそう思うと答えています。

以上のような結果を受けて、調査に当たった研究者は、同性愛そして性同一性障害についての認識について、どのように評価していますか。

○新村政府参考人 当該研究報告書には、教員に対する調査結果の評価といたしまして、セクシュアルマイノリティーの児童生徒に対応する際に最低限備えておくべき最も基礎的な知識さえ圧倒的に欠如している現状であったと記載されております。

〔萩生田委員長代理退席、委員長着席〕

○池内委員 最も基礎的な知識さえ圧倒的に欠如している。私は、教職員に対するこのアンケートをきょう取り上げましたが、これは教職員だけの傾向なのではなくて、日本社会全体の傾向をあらわしていると思います。

異性愛者があしたから同性を好きになれと言われてもみずからの性的指向を変えられないように、同性愛者が同性に引かれるという性的指向は意のままにはなりません。私がお話をお聞きした同性愛の当事者も、気がついたら同性を好きになっていたとお話ししていました。

人を好きになるという気持ちに、異性愛、同性愛で変わりがない、この変えられないものに対する無理解、偏見が強いから苦しんでいます。LGBTと総称される人々は人口の五%程度存在すると言われ、いつの時代もどこの国にも存在したし、今も私たちの身近に生きています。

上川大臣、まさに偏見、無理解をなくしていくことが急務だと思いますが、上川大臣の認識をお聞かせください。

○上川国務大臣 先ほど申し上げたところでございますけれども、法務省の中でも、人権擁護の中の大変重要なテーマとして、この十年来、取り組んできたところでございます。各種の啓発活動につきましても、これまでもそうですし、これからもしっかりと取り組んでいくということでございます。

○池内委員 政府としても、より一層の力を込めて、努力に努めていただきたいと思います。

同時に、性的指向、性的自認、これを普遍的人権として日本社会に根づかせていく担い手は私たち一人一人だと思います。

私自身も、性的マイノリティーについて理解できていない、気づいていない人間の一人でした。しかし、男女という枠組みが前提の社会にあって、性的マイノリティーの存在を知り、命の多様性を私自身が学ぶ中で、相手を思いやる気持ちを持てたし、何より、自分自身とより深く向き合うきっかけになりました。

性の問題は命の問題であり、人間が生きることと表裏一体の大事な問題だと思います。一人一人が偏見、無理解を乗り越えていくことが求められていると私は思います。

次に、教育の問題に進みたいと思います。

私は、先日、ゲイの方のお話を聞きました。私の心に残っている話を紹介します。

子供のころに、男のくせに女っぽいといじめられ、自分の性的指向をいけないものだと押し殺し、自分を肯定的に受けとめることができたのは、優に三十歳を超えてからだったとのことです。こうした状況に追い込まれることの苦しさは、私にも想像できます。

LGBT当事者が子供時代に孤立感や自己否定、いじめなどに苦しんでいる実態について私が大変学ばされたのは、LGBTの学校生活に関する実態調査結果報告書、「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が二〇一四年五月に公表した調査です。この調査によれば、調査に応じた当事者の実に七割がいじめの被害経験を持ち、そのうちの三割が自殺を考えたという結果です。

さらに私が心を痛めたのは、LGBT当事者が自分のセクシュアリティーについてカミングアウトできない、ほかの人に打ち明けることができないという実態です。調査によれば、男子の五割、女子三割は、小学校から高校までの間に、みずからのセクシュアリティーについて誰にも打ち明けられなかった。その理由は、理解されるか不安だった、これが六割です。男子の場合には、話したらいじめや差別を受けそうだった、これが六割に上っています。

LGBTについての正確な知識が普及しているとは言えないこの環境下で、どのように自分のことが伝わるのかわからない孤立感がひしひしと伝わってきます。思春期の真っただ中で、恋愛や性、ファッションについて、自分のありのままを表現できずに、あるいは隠して日々を送ることはどれほどのストレスでしょうか。

先ほど、厚生労働省とのやりとりで、学校の先生方の性的マイノリティー、同性愛、性同一性障害についての認識と、その調査結果について明らかにしてきました。研究グループの評価は、残念ながら、最低限備えておくべき基本的な知識が圧倒的に欠落しているという辛辣なものだった。

下村大臣にお伺いいたします。

文科省みずから、性的マイノリティー全般について正確な知識を伝えるパンフレットをつくるなど、教員が正確な知識で、それに基づいて子供たちに向き合えるように状況を変えていくことが急務ではないでしょうか。

○下村国務大臣 性同一性障害やその他の性に関することも含め、教職員が児童生徒の悩みや不安を適切に受けとめて対応することは極めて重要なことであります。

このため、文科省では、性同一性障害につきまして、児童生徒の心情に十分配慮した対応をとるよう、これは平成二十二年四月以降でありますが、学校、教育委員会に指導を行ってまいりました。

また、自殺総合対策大綱、これは平成二十四年の八月に閣議決定されましたが、ここにおきましても、早期対応の中心的役割を果たす教職員に対し、いわゆる性的少数者に関する理解を促進することとされております。

このような視点を踏まえまして、生徒指導、それから人権教育等の場を通じまして、性同一性障害を有する児童生徒等への教職員の適切な理解を促し始めたところでもございます。

文科省としては、現在、専門家の意見を聞きながら、各地の事例等を整理し、性同一性障害等の児童生徒への支援に係る参考資料を作成しております。今後、この資料を活用するなどしまして、性同一性障害の児童生徒への支援方策や、児童生徒のさまざまな悩み、不安を受けとめる必要性やあるいは対策等について、教職員の理解を促進してまいります。

○池内委員 先ほど紹介した厚生労働省の調査でも、教職員の知識や理解が不足している背景について示唆しています。

調査項目の、同性愛や性同一性障害について出身養成機関で学んだことがあるかとの質問に対して、学んだことがあると答えたのはごくわずかです。研修で学んだことがあるかという問いに対しても、二割台の方しか学んだことがないという状態です。一方で、性の多様性に関する研修があれば参加したいという、この項目に、はいと答えている先生方は六割を超えていらっしゃいます。

こうした教員の現場の意欲に応えて、取り組みがさらに求められていると思いますが、大臣、どのようにお考えになりますか。

○小松政府参考人 ただいまお話しの教員養成その他につきまして、個別の事項につきましては、それぞれの大学で教育課程等を定めてまいりますので、その詳細に文部科学省で一律のことは申し上げることはできませんけれども、今現在、こうした教員養成の中で、具体的にカリキュラム等にこうした正しい理解について入れるものなどが出てきております。具体的にそういった教育課程などが見られるようになっているところでございます。

それからまた、就職をいたしましてから後の職員向けの研修につきましても、先生御承知のとおり、各都道府県等でもそういった例が出てきております。

文部科学省としては、学校現場における、先ほど大臣から御説明を申し上げました正しい理解の促進とあわせまして、そういったさまざまな場面でこうした理解が進むということが望ましいと考えておりますので、引き続き、そうしたものが進むような、先ほど先生おっしゃられたパンフレット等を通じまして理解を促進してまいりたいというふうに考えております。

○池内委員 こうした教育の現場を変えていくということは、先生方を含めた周りの大人の理解と取り組みが不可欠だと思います。その先生方の取り組みの土台となる性的マイノリティーに対する正確な知識、これが圧倒的に欠如していると指摘されているような事態を変えていくということは本当に急務だというふうに思います。抜本的な取り組みを求めます。

そして、この問題は日本社会全体の問題だと私は思います。最初にも言いましたが、男らしく、女らしくに縛られず、誰もがありのままに生きられる、誰もが自分自身のセクシュアリティーに誇りを持ち、違いを認めながら生きられる社会を目指したいと思います。性的マイノリティーの人権が保障される社会は、私にとっても、そして、これまでこうしたくびきに縛られてきた人たちにとっても生きやすい社会のはずです。

LGBTを初めとし、あらゆる差別を許さない。私にとっては、私が私であり続けるために、この問題に取り組んでいきたいと思います。

以上のことを述べまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。