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【ご挨拶】


本日、比例候補が発表されました。これまで応援してくださった東京の皆様、全国の皆様、本当にありがとうございました。私、池内さおりは次期総選挙に立候補しないという決断に至りました。この決断に至るまでに多くの時間がかかってしまいました。ご心配をおかけしてしまった皆様には大変申し訳ない気持ちです。長く深い悩みの中にあった私を支え、寄り添い、助言をくださった全ての皆様に感謝いたします。

東京12区では25歳で初挑戦して以降15年間、北区、足立区、豊島区、板橋区にお住まいの方々お一人お一人のご支援が私の勇気の源泉でした。どんな情勢でも私池内さおりに託していただいたご期待に心からの感謝を申し上げます。比例東京ブロック重複となってからは東京全域の方々から支えていただきました。目まぐるしい政治情勢のもとで市民と野党の共闘が実現し12区は共闘の大きな要の一つとなりました。12区でも立憲民主党、社会民主党、れいわ新選組、新社会党、緑の党、無所属の文字通り党派を越えた政党が一致点を大事に団結し、市民と共に政治改革を進める貴重な一歩を踏み出しました。議論を重ね互いの違いを尊重しながら進んだこの流れと経験は、たとえ政党状況がどうなったとしても決して消えるものではないと確信します。

初当選のときから訴え続けてきた女性やマイノリティの人権問題のことを思うと、私の胸が締めつけられます。私が挑戦したどの選挙のときにもジェンダー問題や性暴力などなかなか語れない大事な思いを言葉に託し、私に伝えてくださる女性やマイノリティがいました。私自身がそうした思いを政治変革のために直接届け闘うことができないことは本当に悔しく思います。

様々な思いが生まれては消え、心に積もり、決して単純ではありません。断念するのは、私自身が妊娠出産を理由にしているのではないか?それは、同じ様に社会生活や仕事に復帰できない中で苦しんでいる産後の女性たちの声に他でもないこの私が背を向けることになりはしないか?妊娠出産という状況が加わった私が選挙に出ないということは日本政治のジェンダー不平等に私自身が手を貸すことになるのではないか…等々、心底悩みました。

しかし、どれだけ自問を重ねても紛れもない事実があります。それは、今の私の体の状態では過酷な総選挙を候補者として走り切るのは無理があるという事実です。そして総選挙は、憲法上何の根拠もないにもかかわらず解散が常態化しています。すぐ先の将来も見通せずに翻弄される現状の制度の下では立候補は困難であると思うに至りました。若手の女性が総選挙に出続けることはそれ自体極めて困難であると身をもって知りました。今は様々な思いを手放すことで、次なる私自身の成長に繋げたいと決意しています。

そんな私のもとに現在も切実な思いを届けて下さる方々がいます。長年不妊治療を続け数年前に流産。その体験が辛すぎて時間が過ぎ、やっとまた前に進もうと努力して妊娠状態を維持できているという私と同い年の女性。また、自分は男性不妊で病院に通っていたが改善されず諦めざるを得なかったという男性も。

さらに子どもがダウン症で医療的ケアが欠かせない状態が続き、何年も保育園入園が叶わず苦悩してきたという女性。福祉行政に深く関わる小児科医から「この子に税金を加配するのは無駄」などと許し難い言葉を投げつけられて「行政の側が寄り添ってくれない。絶望しましたよね」と彼女は私に語りました。何度も書類を自力で書き直し、先日民間支援団体の支えのもと保育園入園を切り拓きました。子どもはその子自身の発育の環境を広げ、彼女は職場復帰をしています。苦しさの中に差し込む光の眩しさを私も共有するかのごとくに、お話をお聞きしたカフェで私も涙が流れました。

そして性暴力の結果、望まない妊娠出産を経験し親となった若年女性たちの声。母親自身がとても若く、精神的に不安定だったり経済的困難の中にあり、赤ちゃんへの必要な養育が保障できない現実があることは胸が潰れる思いになります。母子のみの暮らしで頼れる人は身近におらず、母親はワクチン接種のための情報にアクセスできていなかったり、月齢にふさわしい発達ができずに子どもが痩せていたり、お風呂に入れていなかったり…。困難を抱える母へのケアは急務であり、同時に、人生の格差がこんなにも幼い時期からすでに始まっている!私の心はえぐられる様な痛みを感じます。

私たちがつくるこの社会には、かけがえのない小さな存在をなんとか守り育もうと苦悩し涙している親たちがいる。あちこちで尊厳の声響かせて泣いている子どもたちがいる。私は、生きることを徹底的に支える政治をつくりたい。全ての命を支えるために公的福祉の拡充は待ったなしです。私自身、親となり、地域密着の公的支援のネットワークを心強く感じています。もうすぐ生後半年を迎える子は、児童館やコミュニティの中で見守られながら成長し、日々ほとばしる命の輝きで私を魅了し感動させてくれています。2023年生まれという響き!この未来感!私はこの手に小さな‘未来のかたまり’を抱きしめて、この輝く瞳に映るものが搾取や性的消費や暴力や支配などと対極にある世界でありますようにと願わずにはいられません。

より良く生きていきましょう!そのために政治を変えましょう!暴力も搾取もない、戦争も断じて許さない道を共に切り拓きましょう。全ての人が人間らしい人生を生きられる。生きることのかけがえのなさを全力で支える政治をつくりましょう!そのために日本共産党を東京で全国でどうか大きく躍進させてください。私もこれからも共に声をあげ続けることをお約束いたします。最後まで読んでいただきありがとうございました。

2023年6月23日 池内さおり